05389-190124 やさしくゆっくり力を抜いて「完全タッチタイピング」の習得方法
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初対面の若い弁護士と話していたら、裁判所で「タイピング音がうるさいから静かにタイプするように」と判事から注意を受けたことがあるとのこと。 タイピングは「押鍵(おうけん)」です。指先を数mm、直下に移動して戻すだけ。スッと、ほんの少し動かすだけです。「打鍵」という呼び方がいけないのかもしれませんね。「打鍵」ではなく「押鍵」です。 https://flic.kr/p/23K6dwi https://farm5.staticflickr.com/4807/39869033093_a6ee25fca0_k.jpg
喫茶店等でもけたたましい音を立てて「打鍵」している人を見かけます。タイピングの基礎を小中学校で正しく指導していないのが原因でしょう。「完全タッチタイピング」(一切キーボードを見ずにすべての文字、数字、記号を入力できること)は現代において「(読み)書きそろばん」に相当しますから、鉛筆の持ち方、使い方、文字の書き方、書き順などと同様、小学校で(あるいは遅くとも中学卒業までに)完全に習得すべきスキルであるはず。 手のサイズがタイピングに適する小学校高学年あるいは中学校までの義務教育中に、完全タッチタイピングを全児童生徒が身につけて「文盲率」を0%に近づけることが、社会全体の生産性に直結すると思います。多くの仕事は文章を書きます。今のところ職場で文章を書く手段はタイピングです。音声入力できない環境も多いですし、今のところタイピングに替わる文章記述方法はオフィスに普及していません。 https://flic.kr/p/23K6dQe https://farm5.staticflickr.com/4912/39869034133_6e68378662_k.jpg
「タッチ」タイピングです。touchです。
hit でも punch でも beat でも shoot でもありません。タッチです。叩くのではありません。触るのです。
その基本をきちんと教えていないから、キーボードを「叩きつける」人や「打ちのめす」人が現れるのでしょう。そんなことしたら、キーボードが痛い。シューティングゲームを模したタイピング独習アプリなどというものがあるから、勘違いする人もいるのかもしれません。
shio.iconの周囲の方々及び学生たちは、だいたい3日〜2週間で完全タッチタイピングを身につけています。その訓練方法とポイントは下記の通りです。 キー配列表を画面上に常時表示するか、プリントして画面の縁に貼ったり、キーボードの横に置く。
ホームポジションを目視で確認する。
手の力を抜いて、弛緩した状態でホームポジションに両手の10本の指を置く。
ホームポジションとは、左手が小指をa、薬指をs、中指をd、人差し指をfに置き、右手は人差し指をj、中指をk、薬指をl、小指を;に置くフォームです。親指はspaceです。
一旦キーボードから手を離す。
キーボード全体を覆い隠すようにタオルをかける。
キーボードとタオルとの間に両手を差し込み、手とキーボードが覆い隠された状態で、ホームポジションを探る。人差し指に位置する左右の突起を触って位置を確定する。
以降、一切キーボードを見ない。常時、手の上にタオルがかかったまま、練習を続ける。
完全タッチタイピングができるようになるまで、常時、です。「最初はキーボードを見ていて、そのうちに見なくなる」などということはありません。最初から常時タオルをかけて練習することが近道です。「最終形を最初から」の教えです。 タイピングするときは、絶対に間違えないことが大切。
ゆっくり、ゆっくり。正確に、確実に。
速くタイプして間違える事を繰り返していると間違いクセがついて、結局速度は上がりません。速そうな割にdeleteばかり押している人になります。
タイプする際は、指先を真下に数mm下ろしてキーを押下(おうか)する。
ホームポジション以外のキーを押下する場合は、まず入力したいキーを担当する指1本だけを入力したいキーの上までゆっくり水平移動し、指先を真下に数mm下ろしてキーを押下(おうか)し、指を真上に戻し、先ほどと逆に水平移動して、元のホームポジションに戻す。
押鍵する指以外は常にホームポジションに置いて脱力した状態をキープする。
そ〜っと押し下げる。決して「打つ」のではない。「打鍵」でなく「押鍵(おうけん)」です。
昔のタイプライターは、紙に対しインクリボン越しにタイプアームを物理的に打ち付ける必要があったため、「打鍵」を要しました。shio.icon自身、小学4年生でOlivetti社製のタイプライターを使って完全タッチタイピングを習得した当時は「打鍵」していました。現代のキーボードは、タイプライターと違ってタイプアームを打ち付ける必要がない。キーを数mm押し下げるだけでいい。「押鍵」です。そーっと優しくほんの数mm、指をすっと動かせばいい。それ以上の力はまったく無用。
その繰り返しです。
手の力を抜いて、弛緩。指の動きはデジタルに、水平移動→真下に押下→真上に戻す→水平移動してホームポジションに戻す、という動きをします。
それをできる限りゆっくり、ゆっくり、太極拳のごとく、ゆっくり、ゆっくり、繰り返します。決して間違えずに、確実に。絶対に速く入力しようと考えない。ゆっくり、ゆっくり。
ゆっくり正確に続けていると、徐々に自然と速くなっていきます。
そのため、タイピングソフトは使わない。タイピングソフトは速度を追求する設計になっているからです。
速度を追求すればフォームも崩れます。ホームポジションから手全体が移動しますから、1本の指のみの移動によってタイピングする基本を守れなくなります。その結果、間違いを誘発します。deleteする必要が生じ、さらに遅くなります。
練習で書く文章は何でもいい。自分が書きたい文を書けばOK。
1つのキーを押すのにどんなに時間がかかってもいいので、絶対に間違えないでゆっくりゆっくり完全に正確に確実に入力を進めることが何よりも大事です。
キーボードと両手の上にタオルをかけた状態で、数字、記号まで含めたすべての文字をタイピングできるようになったら、アガリです。心配ならキー配列表を貼ったままにしておいてそれを見てもいいですが、タオルを外しても決してキーボードを見ないこと。もし一瞬でもチラ見してしまうようなら、一切見なくなるまでタオルをかけておきましょう。キーボードを目視しない。鉄則です。
これを愚直に励行すれば確実にできるようになります。いままでにshioゼミの学生たちはもとより、相談を受けた社会人もみなさんこの方法で完全タッチタイピングが身に付いています。 https://flic.kr/p/2emzP9B https://farm5.staticflickr.com/4842/46834257751_befc201407_k.jpg